大量創作、大量消費

ぼく、創作のなんなのさ

四畳半神話大系(角川文庫) /森見登美彦

f:id:rabbitof16bit:20150917060712j:plain

 

 友人のすすめでアニメを先に見た。

この作品も作者も知ってはいたのだが、謎の偏見があり食わず嫌いを起こしていたため手が出せていなかった作品である…

 

京都の大学に通う、三回生の"私"。入学当初は薔薇色のキャンパスライフを夢見ていたが、気が付けば二年が過ぎ去っていた。

これも全て一回生のときあのサークルに入って、小津という悪友ができてしまったからだ、もしあの時違う選択をしていれば――――

 

いわゆる「森見節」がきいている著作は初めて手を出したが、なんと心地の良いこと。

テンポの良い言葉選びと言葉使い。話の本筋には関係の無い無駄な事を無駄に大げさに(いい意味で)表し、膨大な知識教養をひけらかす。そして圧倒的な京都の街並みの描写!京都に飛んで行きたくなるほど!去年に数日間京都に旅行しただけの自分でも、「あぁあそこ!」と思い出せるほど。

 

あらすじにもある通り、いわゆる平行世界もので「私が入学当初に選んだサークル」の違いで話が四章に分かれている。前の章で見た文章が次の章でも引用されているなど、主人公が同じ世界で生きているのだと伝わってくる。ただ、読み進めて何度も読まされていると食傷ぎみになり読み飛ばしてしまいたくなるのが勿体ない。

 

そして登場人物が皆魅力的で愛おしい。話にキャラクターが動かされるのではなく、キャラクターがその強い個性で話を引っ張っていっている。

今改めてアニメのオープニング映像を見ると中々ぐっとくるものがある。なんだよ「私」よ、いい(?)人達に囲まれているではないか、何を腐っているのだ、と。


The Tatami Galaxy OP - YouTube

 

現在進行形で大学生活を無為に過ごしドブに捨てている身としては、「私」にどうしても重なってしまう部分が多く心が痛かった。

「あのときああしていれば」と思うことは多々あっても根本的な部分が変わっていなければ何も変わらないのだ。だから今現在を腐らずに楽しもう、と思えた。

 

アニメの補完の凄さを実感する。原作では語られなかった「ほんわか」での話や、別の自転車に入れ込んだ「私」等…小津の彼女への情熱や純粋さ(?)が補完されていたのも素晴らしいと思う。

また、モノローグとして使われている森見節の再現率も素晴らしい。ほとんど使われていたんじゃないか…?

また改めてアニメ見直したいと思う。特に最終回。