最近観た映画六本の感想ぶっこみ
春休みのクソ大学生は暇なのだ……
ノートに書きなぐった感想文を少し整えただけなので文章の整合性とか気にしたら負け
感想の文章量が見終わった時の気力に由来していたので、差があったからといって面白さが文章量と比例しているとは言いにくいです
物語の根幹に関わりそうなネタバレは避けた…つもり
■市民ケーン(1941)
1941年の作品…1941…?!
初めてこの「市民ケーン」というタイトルを見たときはギャグかと思いました…市民権と市民ケーン………市民権を得ようと奔走し市民権を得て喜ぶ市民のケーンをちゃかすブラックコメディかと…
しかし原題はCITIZEN KANE…ええ、全く関係ありませんでしたね…
かなり古い映画だったがとても面白かった。名作と言われるだけあって、かなり上手く作られていた。
資産家であり新聞社の経営者であったケーン氏が死亡し、彼の残した「バラのつぼみ」という言葉の秘密を記者が探る、という形で彼の半生が語られる。彼と親しかった人物から、資産家であった彼、新聞社経営者であった彼、妻であった彼……
栄華を極めていた彼が段々と没落していく様がなんとも物悲しい。
劇中でも言われていたが、彼は幼い頃に両親の元を離れてしまったために愛を得ることができなかったのだろう。それで、他人に愛を求めるが自分からは与えることができなかったんだろう…それで様々な物を失ってしまった。
死ぬまで幼い日の様子と似たスノードームを握っていたり、「バラのつぼみ」の言葉の意味であたったり、乱雑に置かれた財宝の中に新聞社の社員から貰ったお祝いのトロフィーがあったりと哀愁を誘う。
最後の「バラのつぼみ」の種明かしが微妙に分かりづらかったが、解説を読んだらゾクッときましたね…
新聞社でのパーティシーンを見ながら、ここが彼の人生のピークなんだろうな、と初見で思わせられた脚本や演出は凄いと思った。実際決定的な転落の契機となったのは選挙に落ちたあたりからなのだろうが…
今では当たり前の演出や効果も昔では新鮮だったろうな、というのがよく分かる。
個人的にはCGの圧倒的美麗な画面よりも、創意工夫がみられる昔の映画の画面の方が好きだなあ。
ラストシーン付近は物悲しいはずなのだが、何故かドキドキした。台詞も良い。彼の心の隙間を埋めるように無造作に置かれた美術品がなんともいえない。
「ケーンは全てを手に入れ、全て失った。バラのつぼみもその一つかも。人間の人生を一言で語るなど無理な話だ。バラのつぼみもピースの一つだ。無くなったパズルのピース。」
■ノーカントリー(2007)
映画好きの留学生の先輩に「アナーキーな(?)映画を好むお前が何故見ていない?!」と言われ押された作品。彼の言うアナーキーの定義がよく分からないのだが、「社会道徳等ではなく自分自身の価値尺度で動いている人」という意味っぽい…?
コーエン兄弟の作品だったんですね…(見終わってから気がついた)
まだファーゴしか見れていないのですが雰囲気やら感じが似ていたような気がします
盛り上がりどころもなく、BGMもなく、ただ静かな中で坦々と人が殺されていく。わりとすぐにポンポンと死ぬので感慨もあったもんじゃない。多分それが狙いなのだろうけれども…
サスペンスというよりもホラーっぽい演出が多かった気がする
おかっぱ頭のガスボンベを持ったシリアルキラーが絵になりすぎている……
人の生と死に劇的なものなんてないのだなあ、と。不条理に殺されていくわけですし…
人びとに「死」を与えていったシリアルキラーは死神のようだった…実際刑事が劇中で「あいつは幽霊のようなものだ」と言っていた。
しかし彼にも最後事故で死にかけているのだから、生と死は平等なんだなと(?)
ヒーロー的な顔をしてやってきた奴もすぐにあぼんしてしまうのはちょっと面白かったです
いやあ…正直一回見ただけじゃ理解できない作品ですねこれは……
刑事さんの独白ももう一回見ればわかりますかね…
推してくれたセンパイになんて感想を言えばいいのかわからねえ!!!!
■裏窓(1954)
クソにわかなので、前情報を何も知らずに見たらOPの「アルフレッド・ヒッチコック」という文字にあーーー!!!かの有名な!!!!!ってなりました。すいません。
名作らしいのだが、個人的には退屈だったと言うか、普通だったな、という感じです
ストーリーもわりと単純だったので、サスペンスを楽しむというよりは女優さんの美しさや設定の良さに惹かれた。
足を折ってしまった記者が裏窓からアパートの隣人たちの生活を覗き見ている…という設定はとても好きだ。
女優さんの登場シーンも美しかった…今まで見た中で一番美しい登場の仕方だったなあと思います
■SHERLOCK 忌まわしき花嫁(2016)
演出のネタバレがあります
大人気ドラマシリーズの映画版…本国ではスペシャル番組として放送されていたので映画と言うよりはドラマ番外編と言った方がいいよなあ
最高でした!!!!!!!!初めてですよ、最高すぎてキレて語彙を失ったのは(?)
本編終わって一時間経っても興奮が冷めやみませんでした…映画館があったモールを変な顔で数周していましたね……溢れ出る衝動を抑えきれず、太鼓の達人をプレイしたら鬼レベルを始めてクリアできましたね………
完全にやられました。前情報をあえて全く入れずに「まあ、ベネとマーティンのビクトリア時代版なだけだろう」と思って観に行ったらこれですよ……
本国ではスペシャル番組だったということを完全に失念していました。
例の彼が出て、S3ラストの飛行機に場面が転換した瞬間やられた!!!と思いました。彼が出ると必然的に盛り上がってしまうのは何故なんだ…彼のオーラか…演技と思えないあのオーラか……やはり魔王、ラスボスは"強い"
滝のシーンなんかもうあーっ!あーっ!って言いそうになりましたよ最高すぎて
正直、ミステリ部分は適当な感じがしましたね…ええ「スペシャル番組」ですからね(?)
(ゴシック)ホラーっぽい画が多かったなあ
初見さんでも見られる独立した映画というわけではないので、映画としては微妙ですが
TVシリーズのスペシャル番組としては最高の出来ではないでしょうか…!!
TVシリーズを全部見たことが前提で作られているので、上手くそれを利用してこれでもか!と盛り上げるように演出と脚本が作られています…!
「ああ、BBCのSherlockのビクトリア版だ」という感じです(説明になっていない)
おなじみのOPをビクトリア時代のものにしていたり、登場人物たちの立ち位置(これが本来の場所か?)とか…
チラッと見えた、ホームズ兄弟の過去話、気になりますね……
S4以降で徐々に語ってくれるみたいではあるけど
これからのSherlockシリーズが楽しみです
■オーシャンズ11(2001)
タイトルは聞いていて、いつか見ようと思ってはいたシリーズ。
俳優をほとんど知らない私が見ても、「あ!!!この人色んな映画で見る人だ!!!!」となるくらいには豪華な俳優陣。
ベガスの三大銀行の金庫を狙うオーシャンと仲間の話。
金庫破りの計画は見事。ラストは支配人のベネディクトさんと一緒に騙されました
ただ、"なんかスゴそうなキカイ"が出てきたときはお、おう…となりましたね…(笑)
エレベーターに放置した服は不信がられないのか、とか一人が一回でもしくじったらオジャンになる計画にヒヤヒヤしたり突っ込んだりしながら観るのは楽しかった。
ラストまでクールな曲で来ていたのに、計画を完遂させた後に「やってやったぜ」的なメンバーの顔と共に流れるクラシックっぽい曲は正直笑いました
■ヘイトフル・エイト(2015)
いやあ……家から遠い映画館まで足を運んで観た甲斐がありました…!!
初、スクリーンでタランティーノ映画を観れたというだけでも信者的に十分満足なんですけどね……!!
ああ、タランティーノの映画だな、という感じでした(あたりまえ)説明不要のタランティーノ節!
三時間という長尺、しかも密室、というのに観客を飽きさせない台詞回しと会話シーンは見事。ほどよい間(?)と緊張感もよかったです
いやー、タランティーノでした(二回目)
吐血シーンが気持ち良すぎる。銃殺シーンも良かったけどいつもの、って感じですね…
最後に血みどろでベッドに横たわるショットは最高でしたね!
まだ演技の良し悪しの判別ができていないのですが、会話シーンの緊張感のせいか胃がグリグリきました…直前にかき込んだ丸○製麺の天ぷらのせいではない、きっと
色々と種明かしを知った上で見るとまた演技の凄さが分かるだろうし二回目を観たい所存……
個人的に保安官のキャラクターすごく好きですね…結局比較的まともな奴は保安官と将軍くらいしか居なかったのでは…?!
アカデミー音楽賞を取っただけあって、音楽が凄く良かったです
元々タランティーノ映画は音楽を効果的に使っている監督であったので、より良い音楽を使ったらね、もう最高としかね
オープニングでもう神映画だと思いましたね、はい
もうApple Musicでサントラが配信されているので聞ける方は是非。
というか劇場で映画観たその日にAppleMusicでサントラ聞けるってすごい贅沢だなあ、と思います…見終わっても音楽で浸れる……
よかったです!!!!!また見ます!!!!!!
いやあ…疲れました(打ち込むのが)
こんなに長文書いていると私の語彙の無さが露見してしまいそうだ